保育目標
徳育幼稚園は、1925年に日本基督教団中野教会の附属幼稚園として創立して以来、「徳育」に重点をおき、保育を行ってまいりました。
幼稚園は教育の場ですから「いろいろなことを教えてくれるところ」と考えがちですが、決して「小学校の予備校」ではなく、独自の大事な役割を担っています。それは、主体的な遊びをとおして『生きる根っこ』を育てることなのです。
子どもの主体性や社会性は、自分の存在がしっかりと受け止められ、自分らしさを発揮できる環境のなかでこそ養われるものです。そして生涯にわたって生きる土台となるのです。
私たちは、一人ひとりの子どもたちが、この幼稚園で皆から受け入れられ、愛されていると実感してほしいと願いながら過ごしています。そして、このことこそが、子どもたちが自ら根を伸ばしていくための最高の栄養になっていると確信しています。 子どもは満たされた後、自信をもって次のステップに進めるのです。
じゅうぶんに愛された子どもは、 自分の存在に自信を持ち、他者を思いやることができます。じゅうぶんに遊んだ子どもはその経験を自分のものにして、意欲的に取り組むことができるのです。
まわりと比較して、ついあれもこれも、とあせることが多いのですが、ほんとうに必要なことはそんなに多くはないはずです。私たちが子どもの持っている成長の芽を信じて暖かいまなざしを注ぐ時、子どもは安心して力を出していけるものです。
徳育幼稚園の保育が、見栄えはしなくても、急がないで、本当に大事なものを育んでいくものでありたいと願っています。そして小規模幼稚園のメリットを生かし、「人生の土台作り」のこの時期、子どもたちの心に「ようちえんはたのしかったね」という思い出をいっぱい作ってあげられたらと思っています。